初代フリークをはじめとするフリークシリーズは、表と裏の2つの回転式ベゼルによって時間調整やゼンマイ巻き上げを行う仕様となっていたため、リューズは備わっていませんでした。
フリークXでは、シリーズとしては初めてリューズによる操作が可能になりました。そのため、ベゼルもよりシンプルなものへと変わり、全体のデザインもスッキリとしたモダンな印象となりました。

モデル名の「フリーク」は英語で「風変わり」を意味する言葉。そして「X」は、X -Ray、つまりX線からきており、透明性を意味しますフリークXの場合は“文字盤を持たない＝透明”という定義で、見えている部分すべてがムーブメントを構成する、針のないデザインとなっているのが特徴です。

I字型に組まれたバゲット・ムーブメントが1時間で軸周りを回転するフライング・カルーセル構造となっており、センターブリッジが分針の代わり、ホイールのひとつが時針の役割を果たします。

ブリッジエンドには、自転するフライング・カルーセルの動力源となる大径のユニークなオシレーターが組み込まれています。
オシレーターが毎秒6振動する様子を正面から覗き見ることができるのも、このモデルならではの特徴です。


また、テン輪やヒゲゼンマイ、アンクルといったパーツはすべてシリシウム製となっております。ムーブメントにシリシウムパーツを用いたのは2001年の初代フリークが史上初で、フリークの革新性の高さを象徴する素材でもあります。

シリシウムは超軽量シリコン製の部品のことで、耐久性や耐磁性に優れ、精度の安定化にも貢献します。また、ユリス・ナルダンでは、シリシウム素材のパーツに対して10年保証を付与しています。

内歯車はバーインデックスと一体化しており、右下のネイビーの歯車がかみ合うことで、中央プレートが動き時刻を示します。
今回のモデルは、自社製の自動巻きムーブメントをベースに、フリークの特徴的な機構のみをモジュールとして組み合わせた設計となっており、輪列を大幅に合理化し歯車の数を減らしたことで、よりシンプルで大胆なデザインとなりました。

カラーリングは、ネイビーの文字盤にシルバーとホワイトを取り入れた、ケースとの調和が取れた色合いとなっております。時刻の読み取りやすさも、個性的なデザイン性に反して意外なほど悪くありません。
穴石として、文字盤のデザインを邪魔しない透明なルビーが採用されているのも特徴的です。

裏蓋は固定式で、サファイアクリスタルのケースバックからは自社製の自動巻きムーブメントUN-230を眺めることができます。

センターローターの自動巻きムーブメントで、シンプルなデザインのローターには、ユリス・ナルダンのいかり型のロゴマークが刻まれています。自動巻き機構は、ナルダンが長年採用してきたシンプルで巻き上げ効率が高いマジックレバー式となっております。
関連リンク：https://www.kigyou.net/company/corp3282


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